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No.506(2018/7/5)
南米の労働事情

【アルゼンチンでゼネスト】

 6月12日のニューヨーク・タイムス紙は「アルゼンチン最大の労働組合アルゼンチン労働総同盟(CGT)が6月25日の24時間ゼネストを呼びかけた。理由はマクリ大統領政権による緊縮財政反対と大統領が頼る国際通貨基金(IMF)からの融資反対である」と報じている。

 アルゼンチンは1990年代後半に起きたアジア通貨危機などの影響で自国通貨の大幅下落に見舞われ、それまでの米ドル連動制から変動相場制へ移行した。
 その後2001年に$1,000億の国債が返還出来ない債務不履行(デフォルト)に陥り、国際通貨基金(IMF)の支援を仰いだ。その際IMFが義務付けた緊縮財政で失業20%、それに加え預金封鎖と言う苦い経験をしており、国策の誤りが労働者や低所得層にしわ寄せされているとの強い抵抗感がある。

 2015年に正義党(ペロン派)に代わって政権に就いたマクリ大統領(急進党)の下、「2016年には立ち直りの兆しを見せたアルゼンチン経済(2017年ジェトロ資料)」だが、今回また米国の利上げ政策の影響を受けてペソの急落と物価の高騰、去る5月には「中央銀行が8日間で3度目となる6.75%の金利引き上げを発表して、政策金利が40%に達する(5月5日付日本経済新聞)」異常事態に追い込まれて、デフォルトを繰り返す深刻な懸念が高まっている。

 アルゼンチン国民には今までの歴史から自国通貨への信用が薄いと言われ、ペソが下落すると敏感にドルに逃避する事から下落を加速する。為替については2000年の$1対1ペソが今や30分の1の0.38ペソであり、輸入物価が30倍になったことを意味するが、特に最近の為替相場は4月末の$1対0.5ペソが0.38ペソへと24%急落している。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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