バックナンバー

No.495(2018/3/9)
ドイツの春闘、IGメタルは、賃上げ4.3%とワークライフバランスで成果

 IG メタル(ドイツ金属労組)は、労働者が家族の育児や介護の責任を果たすために、労働時間を標準の週35時間から最大2年間、週28時間に短縮するという主要な要求を獲得した。これは、賃金よりも労働時間に重点を置く最初の主要組合が行った協約である。

 何回かの緊張した一連の交渉と、34年ぶりの24時間「警告スト」の結果、IGメタルと南西ドイツの雇用主組織との間で、金属セクターにおける2年間の団体協約が締結された。

 ストライキは、ポルシェ、ダイムラー、BMW、エアバス各社におよそ2億ユーロの生産機会損失を与えた。IGメタルは、経営側が真剣に対応しないならより長いストライキ行動を取るための組合員投票を行うと通告した。

 この団体協約は、ドイツの産業中心地にある900,000人の労働者を対象としているが、これまでの慣例によれば他の地域の経営者組織も同じ条件で協約に署名し、全体で390万人の金属労働者をカバーすることになる。

 同協約は、今後27カ月間にわたる4.3%の賃金上昇と一部の手当を含んでいる。IGメタルは6%の賃金増を要求していたが、雇用者は当初2.3%増を提示した。組合は、労働時間削減に重点を置くという要求を考慮して6%の引き上げを断念した。

 この協約は、1990年のドイツ統一以来、強い経済回復と最低失業率を背景に、ドイツにおける10年間の賃金抑制の終焉を告げるものである。経営者達と欧州中央銀行はこれからのEUの賃金妥結と経済の先行きを考え、今回の交渉の結果を注意深く待っていた。

 IGメタル会長兼インダストリオール会長、イエルク ホフマンは次のように語った。「この団体協約は、現代的で自分で決めて働く世界への途上のマイルストーンです。組合員68万人を調査したところ、大多数の人が労働時間は自分達の必要に応じて決めたいと言っています。我々はちょっとだがそのゴールに近づいたと思う。若い両親はより多く育児に時間を割けることができるし、必要になりつつある年寄りの介護にも時間を割ける。つまり自分の仕事に加えて、社会的役割を果たすことが容易になるのです」

 インダストリオールヴァルター・サンチェス書記長は次のようにコメントした。
「これまで、企業が労働者の柔軟性を求めていました。これはその頭の中を変えてもらいます。労働者に労働時間を短縮し、自分自身のワーク・ライフ・バランスを決定する権利を与えることは、インダストリー4.0に対する優れた組合の対応です」

 「新技術は、必ずしも新しい仕事を生み出すことはなく、生産性が上昇し続けることを意味します。十分な収入を得ながら、より少ない時間で働く権利は、不可欠な対応です。インダストリー4.0による生産性向上の果実は、社会や労働者と共有する必要があり、労働時間を短縮することは、少数者のポケットに富の集中を避ける方法です。また賃金の上昇は、ドイツ経済を基層から刺激するだろう」

国際労働財団(JILAF)メールマガジン読者のみなさまへ
〜メールマガジン「満足度アンケート」へのご協力のお願い〜

 いつも当財団メールマガジンをご購読いただき、ありがとうございます。
 JILAFメールマガジンは2009年9月より配信開始から、9年目を迎えました。この間、海外の労働関係情報を中心とした日本語記事を490回以上、日本の労働関係情報を中心とした英語版を250回以上配信してまいりました。
 この度JILAF日本語メールマガジン読者のみなさまを対象に、「満足度アンケート」調査を実施さ せていただき、今後の事業改善に反映させてまいります。
ご協力をくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

調査実施期間:2018年2月15日(木)〜3月14日(水)

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.