韓国の基本情報

面積 99.7万平方キロ(日本の0.26倍) (The World Fact Book(WFB))
人口 5,145万人 (2017年、韓国統計庁)
首都 ソウル(978万人、2017年、韓国統計庁)
主要都市 釜山347.8万人、仁川294.8万人、大邱247.7万人、大田150.5万人(世界年鑑)
主要言語 韓国語
民族 韓民族(朝鮮民族)
宗教 キリスト教27.6%、仏教15.5%、儒教など
GDP 1兆5380億ドル、成長率3.1%(2017年) ※産業分野別比率は本文第5項参照
一人当りGDP 2万9744米ドル(2017年)
労働力人口 2774.8万人(2017年、韓国統計庁) ※産業分野別比率は本文第5項参照
産業別分布(%) 製造業31.5%、卸売・小売業9.2%、不動産・賃貸業7.5%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准総数29、中核8条約:批准4、未批准4(87、98、29、105)(2018年、ILO)
通貨 1ウオン=0.101円 1米ドル=1,077ウオン (2018年前半平均、IMF)
政治体制 共和国
国家元首 文在寅(ムン・ジェイン)大統領(2017年5月就任)
議会 一院制
行政府 大統領、国務総理のもとに18部、17庁
主な産業 電気・電子機器・自動車・造船・鉄鋼
対日貿易 輸出3兆1528億円 輸入5兆9752億円(2017年財務省統計)
日本の投資 1,694億円(2017年財務省統計)
日系企業数 945社(2017年、外務省統計・日系企業(拠点)数)
在留邦人数 39,778人(2017年、外務省統計)
気候 温帯
日本との時差 なし
社会労働情勢概要 ・2018年5月の大統領選挙で、「共に民主党」の文在寅氏が圧勝し第19代大統領に当選した。これは前大統領の朴槿恵氏が友人の国政介入問題等により罷免が確定したことによる。文大統領は南北関係の改善をすすめている。
・経済は半導体の輸出や大企業の設備投資の増大などを受け2017年は3年ぶりの景気回復といわれた。ただし、外需に大きく依存する経済構造であり、3つの企業グループが国民総生産の四分の一を占めるなどの構造的課題がある。
・文大統領は労働法制の改革、最低賃金の10,000ウオン(約1000円)への引上げなど、労働者の要求に応える政策を打ち出しているが、経営者側は反発を強めている。
・労働組合は二つのナショナルセンターがそれぞれ活動を推進しており、非正規労働対策、組織化、最低賃金制度、労働法制改善などに力を入れている。
主な中央労働団体 韓国全国民主労働組合総連盟(KCTU: Korean Confederation of Trade Unions)
韓国労働組合総連盟(FKTU: Federation of Korean Trade Unions) 
労働行政 韓国雇用労働部
中央使用者団体 韓国経営者総協会(経総) (KEF: Korean Employment Federation)
最終更新日 2018年 9月 30日
主要統計
(GDP)
201220132014201520162017
GDP成長率 2.32.93.32.62.73.1
一人当りGDP(ドル) 23,03225,99327,98227,21427,45029,744
物価上昇率 (%) 2.21.31.30.71.01.9
失業率 (%) 3.23.13.53.63.73.7

1.政治と社会の動向(1945年以降)

事項
1945年 日本の敗戦、南北分割占領
1948年 大韓民国(韓国)建国。北部には北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)成立
1950年 朝鮮戦争(~1953年)
1960年 4.19学生革命、1961年、朴正煕軍事クーデター
1961年 韓国労働組合総連盟(FKTU)結成
1965年 日韓基本条約調印(日韓国交回復)
1979年 朴大統領暗殺。1980年、全斗煥大統領就任、軍政継続。
1987年 廬泰愚大統領、韓国民主化宣言、1988年ソウル・オリンピック開催
1991年 南北同時国連加盟、ILO加盟、
1993年 金泳三政権、32年ぶりの文民政権、1994年メーデー復活
1995年 韓国全国民主労働組合総連盟(民主労総、KCTU)結成。
1996年 OECD加盟、経済危機深刻化、IMFによる支援と経済構造改革
1998年 金大中氏(国民会議)大統領就任、2003年、廬武鉉氏(民主党)大統領就任
2007年 韓国国際労働財団(現・韓国労使発展財団)の設立
2008年 李明博氏(ハンナラ党)大統領就任、10年ぶりの保守政権
2010年 一人当りGDP2万ドル超え、2012年米韓FTA発効
2013年 朴槿恵大統領就任。2016年、友人の国政介入問題で大統領弾劾。
2018年 3月、朴大統領罷免。5月大統領選挙で、文在寅氏(共に民主党)圧勝。

2.国家統治機構

元首

 大統領。現在は文在寅氏(2018年~)、第19代、12人目。直接選挙で選出、5年任期で再選は禁
止。国家元首、三軍の統帥者、行政の長として強い権限を持つ。大統領府(「青瓦台」)を設置。

議会

 直接選挙による一院制。小選挙区246、比例区54の計300議席。

  • 与党 共に民主党130
  • 野党 自由韓国党114、正しい未来党30、民主平和党14、正義党6、その他

行政

  • 行政の長は大統領。その下に、国務総理(首相:現在は李洛淵氏)以下、18の部(日本の省に相当)がある。閣僚は大統領の指名により議会が承認。国会議員である必要はない。労働行政は雇用
    労働部が担当。
  • 地方行政は、ソウル特別市、釜山など6広域市、9の道(日本の県に相当)

司法

  • 大法院(最高裁)、高等法院(高裁)、地方法院(地裁)による三審制。このほか、憲法裁判所がある。

3.政治体制

政体

 共和制。大統領制。普通選挙にもとづく議会制民主主義。

主な政党

共に民主党

革新系を代表する政党。1995年に金大中元大統領が結成した「新政治国民会議」の流れを汲む。2014年に「民主党」と「新政治連合」が合併し「新政治民主連合」となり、2015年12月に現在の「共に民主党」に改称した。2016年の総選挙で300議席中130議席を獲得したが、少数与党である。中道左派的といわれる。

自由韓国党

保守系を代表する政党。1997年「ハンナラ党」として結成。2012年に「セヌリ」党の改称。2008年李明博大統領就任で10年ぶりに与党に復帰、同年の総選挙で第一党に。2013年、朴槿恵大統領就任。2016年の総選挙では過半数割れとなり、2017年に現在の「自由韓国党」に改称。少数与党の文大統領に対して野党第一党として対峙。

正しい未来党 2018年に「国民の党」と「正しい政党」が統合して「正しい未来党」を結成。「国民の党」は2016年に革新系の「新政治民主連合」からの離党者が結成。「正しい政党」は保守系の「セヌリ党」の離党者が2017年に結成。議会では30議席。
民主平和党 2018年、旧「国民の党」で「正しい未来党」への統合に反対する議員が結成。議会では14議席。

4.人口動態

  • 世界銀行は、「変化する世界への適応」と題したアジア・太平洋地域の経済状況報告の中で、韓国の15〜64 歳の人口が2010〜2040年の間に15%以上減少すると予想している。この期間の労働力人口減少率が15%以上 と推定された地域は、香港と韓国のみ。
  • 高齢化は日本を上回る勢いで進んでいる。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 主要な産業は、電気・電子機器産業、自動車産業、鉄鋼産業、石油化学産業、造船産業など。
  • GDPの分野別内訳はサービス産業58.3%、製造業等39.3%、農業等2.2%(2017年、WFB)
  • 貿易は、主要な輸出品として、機械類、電気電子製品、化学工業製品、鉱産物、鉄鋼金属製品などがある。輸出先は、中国、米国、EU、日本、香港などである。
  • 国内総生産の4分の1以上をサムスン、現代、起亜の三つの企業グループが生み出す。

労働力人口

  • 2017年の労働力人口は2774.8万人。同年の産業分野別比率はサービス産業70.6%、鉱工業・建設業24.6%、農業等4.8%(WFB)
  • 被雇用者数は1,988万人(2017年)、そのうち非正規労働者は654万人で32.9%を占める(韓国統計庁)。

6.経済状況

経済情勢

  • 韓国経済は、2017年には3.1%の成長に回復し、半導体の輸出や大企業の設備投資の増大などを受け3年ぶりの景気回復といわれた。
  • 外需に大きく依存する経済構造。2017年の貿易収支は約1200億ドルの黒字である。対日貿易は赤字が続き、その額は2017年で約280億円である。

所得の動向等

  • 一人当りGDPは2010年に2万ドルを超え、2017年には2万9,744米ドルである。

7.労働組合の組織

概要

  • 韓国の労働組合は6164、組合員数は196.6万人で、組織率は10.3%(2016年)。

ナショナルセンター

  • 韓国労働組合総連盟(韓国労総、FKTU)と韓国全国民主労働組合総連盟(民主労総、KCTU)の2つのナショナルセンターがある。前者は労使対話を重視し中小企業を多く組織化している。後者は現代自動車などの大手の組織が多く、闘争の指導も行っている。組織人員は韓国労総が93.6万人、民主労総が81.3万人である。

産業別の状況

  • ナショナルセンターに加盟する産業別組織の分野は、金属、化学、金融、交通・運輸、建設、公務などである。
    (※)詳細は国際労働財団HPの「ナショナルセンター情報」参照。

8.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

韓国はOECD加盟の先進国であり、国際産別・支援組織による協力・支援活動はない。

現地事務所設置

  • ドイツのFESが情報収集と連携の立場でソウルに事務所を置いている。
    韓国労使発展財団(KLF: Korean Labour Foundation)
  • 政府、労働組合、使用者による財団で、途上国を中心に、健全で積極的な労使関係の構築を支援することなどを目標としている。https://www.jilaf.or.jp/nc_view/masters/view/100

9.労使関係の状況

  • 韓国では労使関係を定める「労働組合及び労働関係調整法」(1997年制定)が2010年に改正され事業所における複数の労働組合の組織化や加入が自由にできるようになった。また2006年には非正規労働者保護法が施行され、労組は組織化への取組みを強めた。
  • 労使紛争は2010年代の前半は比較的落ち着いていたが、2016年は鉄道の長期ストなどが行われたため、労働争議件数は120件と前年より14%増加、労働損失日数は2035日と前年の4.6倍に増加した。2018年には現代自動車、現代重工の労組がスト手続きを行ったが、7月には上部団体の全国金属労組が全面ストライキを行い、現代自動車の労組を支援するとともに、賃金の改革と下請けの不正取引の改善、金属産業労使共同委員会の設置を求めた。
  • 2017年5月に文在寅大統領が就任し、大統領を委員長に労使が参加する「雇用委員会」が設置され、10月に「雇用政策5年ロードマップ」を確認。①雇用の質の改善、②公共部門の雇用拡大、③民間部門の雇用創出、④雇用インフラの構築などの方針が示された。これらに基づく労働法の改正などがすすめられている。

10.最低賃金制度

最低賃金の概要

  • 最低賃金制度は1989年に導入され、2000年には全ての労働者が対象となった。なお最低賃金未満で就労している労働者が1割を超えるなど高い割合にある(日本は2%程度)。
  • 2019年から適用される最低賃金は、2018年7月の最低賃金委員会で確認され、10.9%増の時給8,350円ウォン(約835円)に引き上げられる。2010年の最低賃金は時給4,110ウオンであり、約10年で二倍に引き上げられることになる。大統領は選挙で「2020年までに最低賃金を10,000ウオンに引き上げる」と公約していた。
最低賃金の推移

(単位:ウォン)

2010 2012 2014 2016 2017 2018 2019
時間額 4,110 4,580 5210 6,030 6,470 7,530 8,350
日額 32,880 36,640 42,680 48,240 51,760 60,240 66,800

1韓国ウオン=0.101日本円(2018年前半平均)

11.JILAFの事業(2017年度末現在)

  • 2012年までが旧韓国国際労働財団(KOILAF)、2013年以降は韓国労使発展財団(KLF)。
  • 若手指導者招へい 2008、2009年
  • 定期交流
    訪問:2005、2007、2009、2013、2016、2018年
    受入れ:2004、2006、2008、2010、2012、2015、2017年
  • 国際交流女性チーム 1992、1996、2002、2005年