モンゴルの基本情報

面積 156.4万平方キロ(日本の4.1倍)(The World Fact Book(WFB))
人口 318.0万人 (2017万人、モンゴル政府統計)
首都 ウランバートル(144.4万人、2016年、モンゴル政府統計)
主要都市 エルデネット8.7万人、ダルハン7.4万人(2008年国勢調査)
主要言語 モンゴル語(公用語)90% ほか、カザフ語、ロシア語(1999年、WFB)
民族 モンゴル人95%、カザフ系など(世界年鑑)
宗教 チベット仏教など 
GDP 111.4億米ドル(2017年,モンゴル政府統計)※産業分野別比率は本文第5項参照
一人当りGDP 3,505米ドル(2017年、モンゴル政府統計)
労働力人口 132.2万人(2017年、ILOデータベース) ※産業分野別比率は本文第5項参照
産業別分布(%) 鉱業20.0%、サービス業15.3%、農牧業12.2%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准総数:20、中核8条約:批准8(すべて批准)(2018年6月、ILO)
通貨 1トグログ(MNT)=4.51円 1米ドル=2,409トグログ(2018年前半平均、IMF)
政治体制 共和制(大統領制と議院内閣制の併用)
国家元首 ハルトマー・バトトルガ大統領(2017年7月就任、任期4年)
議会 一院制:国家大会議76議席・任期4年
行政府 首相のもと内閣官房と13省 地方は1市(ウランバートル)、21県
主な産業 鉱業、牧畜業、流通業、軽工業
対日貿易 対日輸出42.6億円  対日輸入400.5億円(2017年、財務省統計)
日本の投資 31億円(2017年、財務省統計)
日系企業数 505社(2017年、外務省統計、日系企業拠点数)
在留邦人数 552名(2017年、外務省統計)
気候 内陸型乾燥気候、夏季(一か月程度)は多雨
日本との時差 -1時間
社会労働情勢概要 ・政治はモンゴル人民党と民主党が二大政党であり、政権交代あるいは大連立などが見られる。現在は首相と議会の多数はモンゴル人民党、大統領が民主党である。
・経済はこの間の低迷は脱して回復の方向にあるが、石炭や鉱物の輸出の好調とIMFの支援による。政府財政は悪化しIMFの支援を受入れ、経済再建プログラムを実施。
・貧困状態にある国民は増加し2017年には三割を超えた。失業率は経済低迷期の影響を受け2017年には10%台となり、労働者の不満が強まっている。
・一人当りGDPは、好景気にあった2011年に4,320米ドルと中進国のレベルに達したのち低下傾向にあり、2017年には3,505米ドルである。
・モンゴル労働組合連盟(CMTU)が代表的なナショナルセンターで、経済低迷の影響を受けた労働者の生活の改善を求めている。
主な中央労働団体 モンゴル労働組合連盟(CMTU:Confederation of Mongolian Trade Unions)
労働行政 社会福祉・労働省(MSWL:Ministry of Social Welfare and Labor)
中央使用者団体 モンゴル経営者連盟(MONEF:Mongolian Employers' Federation)
最終更新日 2018年 9月 30日
主要統計
(GDP)
201220132014201520162017
GDP成長率 12.311.67.92.41.25.1
一人当りGDP(ドル) 4,3284,2944,0813,8403,5683,505
物価上昇率 (%) 15.010.512.86.61.14.2
失業率 (%) 8.27.97.97.510.08.8

1.政治と社会の動向(1945年以降)

事項
1946年 中国(国民党政権)がモンゴルを国家として承認(以前は中国領を主張)
1952年 ソ連派のツエデンバル首相、社会主義政策を本格化。知識人・僧侶の大規模粛清。
1961年 国連に加盟
1990年 ソ連崩壊受け人民革命党が社会主義放棄、民主化はじまる。オチルバト初代大統領選出
1991年 コメコン解散。IFM、世銀、ADBに加盟
1992年 新憲法制定、「モンゴル国」へ改称。共和制の民主主義国。オチルバト大統領(人民革命党)
1993年 大統領直接選挙オチルバト再選。1996年、総選挙で「民主連合」大勝。
1997年 大統領選挙で人民革命党のバガバンディが当選、WTO加盟
2004年 総選挙で人民革命党と祖国民主同盟の連立政権
2008年 総選挙、人民革命党と民主党との大連立政権。大統領にエルベグドルジ(民主党)当選
2010年 人民革命党、モンゴル人民党に名称変更
2012年 総選挙で民主党勝利。エルベグドルジ大統領(民主党)再選。
2014年 民主党とモンゴル人民党との大連立政権。
2016年 総選挙でモンゴル人民党圧勝。
2017年 大統領選でバトトルガ(民主党)辛勝。敗北で人民党内紛、首相(党首)が交代。
IMFの支援受け入れ(拡大信用供与措置)、信用危機回避。

2.国家機構

元首

  • 大統領:ハルトマー・バトトルガ。2017年7月就任。直接選挙制で任期4年。

議会

  • 一院制:国民大会議 76議席、直接選挙制、任期4年
  • 議会の構成
    -与党 モンゴル人民党65
    -野党 民主党9、人民革命党1
    -無所属1

行政

  • 首相のもとに14省など。
  • 首相が首都ウランバートル市、21のアイマグ(県)の知事任命権を持つ。

司法

  • 最高裁判所と控訴裁判所、地方裁判所がある。
  • 特別法廷(刑事、民事、行政法廷等)の設置が認められている。
  • 日本はJICAが2004年から継続した司法制度支援を行っている。

3.政治体制

政体

  • 共和制。普通選挙にもとづく民主主義。
  • 大統領制と議院内閣制の併用
  • 大統領、国家大会議議長および首相による三頭政治体制であるといわれる。

主な政党

モンゴル人民党

(MPP)
社会主義時代に一党独裁政権を担った人民革命党が1990年に社会主義を放棄、民主主義の主要政党として今日に至る。その後、指導理念を社会民主主義として国際組織にも加盟、2010年には党名を現在の名称に変更した。フレルスフ党首(首相)。
民主党 1999年に旧民主党、社会民主党、民族民主党など6党が統合して結成。2000年に他の諸政党と合流して「民主連合」を結成。2004年の総選挙で人民党に並ぶ議席を獲得。以降、二大政党の一つとして政権を争う。2008年、2014年には大連立政権にも参画。
人民革命党 2012年、旧民革命党が社会民主主義政党に転換したことに反発したエンフバヤル前大統領らがマルクス・レーニン主義の理念を維持する政党として結成。2012年総選挙では他党と「公正連合」を形成し11議席獲得。

4.人口動態

  • 日本の約4倍の広さの国土で、人口は日本の約40分の1の308万人(2017年)であり、世界で最も人口密度が低い。人口の年齢別分布は24歳以下43% 、25歳から54歳が46%、55歳以上が11%である。
  • 首都ウランバートルは民主化以降、地方から急激に人口が流入し、国民の4割を超える人口をを抱えるが、インフラ整備が不十分であり、大気汚染・水不足・電力不足などが大きな課題となっている。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 主な産業は鉱業、牧畜業、流通業、軽工業など。GDPの産業別分野別比率はサービス業等50.7%、鉱工業・建設業36.1%、農業等13.2%である(2017年、WFB)。
  • なかでも鉱業はGDP の3 割、鉱工業生産の7 割、輸出の8 割を占める。主な鉱物資源として石炭、銅、ウラン、蛍石、さらにモリブデン、タング ステン等のレアメタルがある。

労働力人口

  • 労働力人口は132.2万人。産業分野別の比率は、サービス業等50.5%、鉱工業・建設業18.5%、農業等31.1%である(2016年、WFB)。

6.経済状況

経済情勢

  • 2017年の成長率は5.1%で2015年、16年の低迷を脱した。経済回復の背景には、石炭輸出などの好調とIMFの支援の効果等がある。
  • 鉱業は2010年以降、生産の発展と国際相場の回復により、2011年から2013年にかけてGDP成長率を12%から17%台に押しあげたが、その後低迷が続いた。2016年には世界最大級のオユトリゴル鉱山の開発進行と国際資源価格の回復もあり、2017年の成長を実現した。
  • 政府の財政はこの間、デフォルトの噂がでるほど悪化し、2017年にIMFの支援を受け入れた。経済再建プログラムが実施されており、財政削減や諸コストの削減が行われている。
  • 失業率は2015年、2016年の経済低迷を受け、2017年には10%台となり、労働者の不満が強まっている。

所得の動向等

  • 一人当りGDPは、好景気にあった2011年に4,320米ドルと中進国のレベルに達したのち低下傾向にあり、2017年には3,505米ドルである。
  • 貧富の差は拡大しており、2017年には貧困状態にある国民は全国平均で30.3%(モンゴル政府・世界銀行)。これは2014年の21.1%から大きく上昇した。地方の貧困県では全国平均を上回る状況である。

7.労働組合の組織

ナショナルセンター

  • モンゴル労働組合連盟(CMTU: Confederation of Mongolian Trade Unions)がモンゴルを代表するナショナルセンターでありITUCに加盟している。組織人員は約23.5万人で36の産業別組織、22の地方組織で構成されている。組織する主な産業分野は、教育、鉄道、鉱山・石油、運輸・通信、公務員である。
  • CMTUの前身は1927年に社会主義時代の労働組合として結成された(全モンゴル中央労働組合評議会)である。1990年の民主化に伴い現組織へと組織再編を行い、1994年にICFTU(現ITUC)に加盟した。
    →詳細は国際労働財団HPの「ナショナルセンター情報」参照。

8.現地協力・支援活動実施

  • モンゴル労組に対して、JILAFをはじめとする支援組織、国際産業別組織やILOなどによる支援が行われている。

9.労使紛争の状況

  • 労働組合との紛争は「労働法典」に基づいて扱われる。最近では労使紛争は年間数件であるが、かつては鉱山で大規模なストライキが起きたこともある。
  • 労働紛争の多数は個別の雇用や労働条件に関わる紛争である。「労働法典」では企業ごとに「労働紛争審判委員会」を設置することとされているが、あまり機能していない。そのため2009年から三者構成の紛争処理システムが設置されており、年間数百件の紛争を処理している。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • モンゴルの最低賃金は、最低賃金法に基づき、インフレ率、労働生産性、経済成長などの要因を考慮して政府(労働・社会保障省)の国家労働社会問題協議三者委員会において確認される。
  • 同三者委員会は2018年8月に、2019年ならびに2020年の最低賃金を決定した。
  • モンゴル労働者の一般的な月額平均賃金は、工業労働者(一般工職)で84.6万トゥグルク、非製造業のスタッフ(一般職)は67.9万トゥグルク、店舗スタッフ(アパレル・飲食)は59.6万トゥグルクである(「ジェトロ・2017年度アジア・オセアニア投資関連比較調査」による)。

最低賃金額の推移

 

2018年1月

2019年1月

2020年1月

月額最低賃金
(トグログ)
240,000 320,000 420,000
上昇率(%) 25.0 33.3 31.3

資料:モンゴル労働・社会保障省

労働・社会保障法制
  • 主な法制はつぎの通り:「「労働組合権利法」(1991年)、「労働法典」(1999年)、「労働安全衛生法」(2008年)、「最低賃金法」(2010年)、「国民最低生活法」(1998年)

11.日本のODA支援(外務省「国別開発協力方針・2017年12月」より)

  • 基本方針:モンゴルは鉱物資源の開発の本格化を背景に中長期的に高成長が見込まれるが、経済の多角化などが課題である。成長の恩恵を最貧層まで十分に波及させ、持続可能で均衡のとれた成長に向け、モンゴル政府の取組みを支援する。
  • 重点分野:①政府の財政規律強化や投資・ビジネス環境の整備など健全なマクロ経済の実現に向けたガバナンスの強化、②持続可能な鉱物資源開発の実現、産業の多角化と発展を担う人材育成など環境と調和した均衡ある経済成長への貢献、③保健医療水準や基礎的社会サービスの向上、障害者の社会参加・社会包摂など包摂的な社会の実現。

12.JILAFの事業

  • 招へい事業:民主化直後の1992年よりはじめ、今日までに82人(男性57人、女性25人)の若手労働組合指導者を招へい(2018年度末現在)。
  • 地支援事業:事業を開始した1994年より現地セミナーを実施しており、主なテーマは次の通り。「労働組合の機能と役割、市場経済と労働組合」(1994~1996年)、「労使関係」(1997~2003年)、「参加型の職場環境改善」(1998~2009年)、「労使紛争解決・労働法」(2009~2012年)、「労使関係・生産性(PROGRESS)」(2010~2012年)、「グローバル化と労働運動」(2013年)、「労使関係・労働政策セミナー」(2014~2018年)。