東ティモールの基本情報

面積 1.5万平方キロ(日本の0.04倍)(2017年、The World Fact Book(WFB))
人口 129.6万人 (2017年、国連推計)
首都 ディリ 22.2万人(2015年、世界年鑑)
主要都市 エルメラ3.6万人、バウカウ1.7万人、マリアナ1.2万人(2015年、世界年鑑)
主要言語 テトン語、ポルトガル語、インドネシア語、英語
民族 ポリネシア系、メラネシア系など
宗教 キリスト教99.6%(カトリック97.6%、プロテスタント2%)(2015年、WFB)
GDP 27億米ドル(2016年、国連データベース)  ※産業分野別比率は本文第5項参照
一人当りGDP 2,104米ドル(2017年)
労働力人口 21.3万人(2013年、ILOデータベース) ※産業分野別比率は本文第5項参照
産業別分布(%)
IL0中核8条約要 批准総数=6、中核8条約 批准6、未批准2(105号、138号)(2018年6月、ILO)
通貨 米ドル 1米ドル=108.65円(2018年前半平均、IMF)
政治体制 共和制
国家元首 フランシスコ・グテレス・ル・オロ大統領(2017年5月就任、任期5年)
議会 一院制(立法会65人)
行政府
主な産業 農業、石油・天然ガス
対日貿易 対日輸出1.3億円 対日輸入6.9億円(2017年財務省統計)
日本の投資 9億円(2017年財務省統計)
日系企業数 6社(2017年・外務省統計)
在留邦人数 138人(2017年・外務省統計)
気候 熱帯夏雨気候、11~3月雨季、4~10月雨季
日本との時差 なし
社会労働情勢概要 ・政治は東ティモール独立革命戦線(FRETERIN)と東ティモール再建国民会議(CNRT)が二大政党で政権交代。現在はCNRTのグスマン党首が首相。
・経済は石油・天然ガスに加え観光業や工業の発展により5~6%の成長を続けたが、2017年は二大政党間の争いによる国政混乱等により減速。グスマン首相の手腕に注目。
・国家財政の大部分を石油関連収入に頼っており、産業の多角化が課題。石油収入は2015、16年は低迷したが2017年には持ち直した。
・一人当たりGDPはベトナムと並ぶ2100米ドル台だが、貧富の差はきわめて大きい。安全、保健・衛生、教育等の社会サービスの改善が求められている。
・労働組合はITUCに加盟する東ティモール労働組合連合(Timor Leste Trade Union Confederation(TLTUC)がはばひろい産業を組織して活動を続ける。
主な中央労働団体 東ティモール労働組合連合(TLTUC:Timor Leste Trade Union Confederation)
労働行政 若者・労働担当国務長官
中央使用者団体  東ティモール商工業会議所(CCI-TL:The Chamber of Commerce and Industry of Timor-Leste) 
最終更新日 2018年 9月 30日
主要統計
(GDP)
201220132014201520162017
GDP成長率 5.0-11.0-26.020.90.8
一人当りGDP(ドル) 5.52.54.14.05.3-0.5
物価上昇率 (%) 11.710.70.80.6-1.30.6
失業率 (%) 4.4

1.政治と社会の動向(1945年以降)

事項
1945年 日本軍占領終了、ポルトガル統治回復
1974年 ポルトガル本国で政変、植民地維持の独裁政権崩壊。独立派と反独立派の対立激化。
1975年 フレテリン(東ティモール独立革命戦線)が独立宣言。インドネシア軍が侵攻、制圧。
1976年 インドネシア、東ティモールを第27番目の州として併合宣言。
1991年 インドネシア軍による独立派虐殺事件(サンタクルス事件)
1998年 インドネシア、スハルト大統領退陣。東ティモール独立容認へ方針転換。
1999年 独立に関する国民投票、反対派の暴力行為増加。国連は多国籍軍派遣決定。
1999年 インドネシア国会、撤退決定。国連が暫定統治機構設立。
2002年 大統領選挙、グスマン氏当選。「東ティモール民主共和国」発足。国連は支援団を配置。
2003年 ILOに加盟(177番目の加盟国)
2007年 独立後初の大統領選、ホルタ前首相就任。国民議会選挙。
2012年 大統領選挙、前国軍司令官ルアク氏当選。国民議会選挙、グスマン首相。国際治安部隊終了。
2014年 首都ディリでポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)サミット開催。
2015年 グスマン首相辞任、デアラウジョ氏首相就任。
2017年 大統領選でフランシスコ・グレテス(FRETELIN)当選。総選挙、FRETELIN少数連立内閣。
2018年 総選挙、野党連合勝利。シャナナ・グスマン(CNRT)首相就任。

2.国家機構

元首

  • フランシスコ・グテレス・ル・オロ大統領(2017年5月就任・任期5年)
  • 大統領は象徴的だが立法への拒否権を持つ

議会

  • 国民議会(一院制・65議席・任期5年)
  • 議会構成(2018年6月)
    (与党)
    ・発展のための革新連合(AMP)34
     (野党)
    ・東ティモール独立革命戦線23、民主党(PD)5、民主開発戦線(FDD)3

行政

  • 首相のもとに各省等。タウル・マタン・ルアク首相(2018年6月就任)

地方行政

  • ディリなど13県

司法

  • 控訴裁判所、地方裁判所  憲法に規定されている最高裁は未設置

3.政治体制

政体

  • 共和制。

主な政党

東ティモール
独立革命戦線

(FRETELIN)
1974年にポルトガルからの独立をめざす組織として結成。1975年にインドネシアが侵攻すると武装闘争を展開。1998年からの独立プロセス以降は政党。社会民主主義の国際組織に加盟。フランシスコ・グレテス大統領が党首。
東ティモール
再建国民会議
(CNRT)
2007年に初代大統領であるシャナナ・グスマン現党首が結成。中道左派で、FRETELINと第一党を争う。2017年、18年の総選挙では野党連合「発展のための国民連合」(AMP)の中核。
人民解放党
(PLP)
総選挙ではCNRTと野党連合「発展のための国民連合」を組む。タウル・マタン・ルアク党首は東ティモール解放軍の総司令官と参謀長の関係。
民主党
(PD)
2001年、学生運動の経験者などで結成された中道左派政党。FRETELINと連携。党首フェルデナンド・デ・アラウジョは国会議長など経験。

4.人口動態

  • 人口は約129.1万人。国民の年齢の中央値は18.9歳で若い人が多い。年齢分布では24歳以下が61%、25歳以上54歳以下が30%、55歳以上が9%である。(2017年)
  • 将来人口に関する国連の予測(中位数)によると、2030年には170万人、2050年には242万人に増加する。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 農業が主要な産業。コメ、とうもろこし、イモ類、ココナッツなどを多くの零細な農家が生産。輸出用作物はコーヒー豆。石油・天然ガスを算出、国家の収入の9割程度をまかなう。
  • GDPの産業別比率は鉱工業・建設業57.8%、サービス業等32.8%、農業等9.4%(2017年、WFB)

労働力人口

  • 労働力人口は21.3万人(2013年)。産業別の比率では農業等41%、鉱工業・建設業13%、サービス業等45%(2013年、WFB)。失業率は4.4%(2014年)である。

6.経済状況

経済情勢

  • 石油・天然ガスに加え観光業や工業の発展がみられ、2007年から5年間は7~11%の高い成長を続け、2014年以降も4~5%の成長を続けたが、2017年は二大政党間の争いによる政府支出の停止など国政混乱等により減速。今後はグスマン首相の手腕に注目。
  • 石油、天然ガスなどの資源収入に過度に依存する経済構造であり、国家収入の大部分は石油関連収に頼る。今後は経済の多様化と産業の多角化をすすめることが課題。
  • 石油・天然ガス収入は石油基金により管理・運用されており、短期的情勢の影響は少ないものの、2015~16年は原油価格の低迷により不安定化した。2017年には持ち直し基金残高は増額した。

所得の動向等

  • 一人当たりGDPは、2016年が2,080米ドル、2017年が2,237米ドル(IMF推計)と、数字ではベトナムと並ぶレベルだが、石油収入に依存しており貧富の差はきわめて大きく、安全、保健・衛生、教育等の社会サービスの改善が求められている。
  • 政府は経済成長を通じて高位中所得国(一人当たりGDP3,956~12,2435米ドル)への移行をめざしている。

7.労働組合の組織

ナショナルセンター

  • 労働組合のナショナルセンターは、ITUCに加盟する東ティモール労働組合連合(Timor Leste Trade Union Confederation(TLTUC)。現地語での組織名はKonfederasaun Sindikato Timor Reste (LSTL)である。
  • TLTUCの組織人員は約1万2千人。7つの産業別組織(観光・商業、教員、看護師、建設、公務員、農業、海運・エネルギー・運輸)がある。TLTUCの地方組織は2つ、このほか15の地方組織がある。
    (※)詳細は国際労働財団HPの「ナショナルセンター情報」参照。

8.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 労組支援組織による協力・支援活動は、日本の国際労働財団(JILAF)、ドイツのFES、オーストラリアのAPHEDAなどが支援を行っている。

GUFsの活動

  • GUFsは加盟組織に対する必要な支援をおこなっている。

9.労使紛争の状況

  • 労使紛争は主として多国籍企業で発生している。国内企業では大規模な労使紛争はみられない。

10.最低賃金制度と労働法制

最低賃金

  • 最低賃金制度は施行されていない。
労働法制
  • 行政府の機能が本格化したのは2010年以降であり、現在の基本的労働法規は国連暫定統治時代の2002年に制定された「労働法(Labour Code)」である。独立以降の政府によるはじめての労働法として2012年に「労働監督法(Inspection Act)」が成立。

11.日本のODA方針(外務省「国別開発協力方針」(2017年5月)より)

  • 基本方針:東南アジア地域の安定と繁栄及び人間の安全保障の観点から、東ティモールの「戦略開発計画」(SDP/2011年)や国連SDGsとの整合性をはかりつつ、持続可能な国家開発の基盤づくりを支援する。
  • 重点分野:①経済社会基盤(インフラ)の整備・改善、②産業の多様化の促進による石油・天然ガス依存経済からの脱却、③社会サービスの普及・拡充。とくに治安、保健・衛生、教育、司法の分野等

12.JILAFの事業

  • 招へい事業は2003年から実施。これまでに、12人(男性8人、女性4人)の若手リーダーを招いている。(2017年度末現在)
  • 現地支援事業は2005年から2010年までTLTUCとの協力で実施。労組基礎セミナー、労組リーダーシップセミナー、POSITIVE(職場の関係改善セミナー)などを実施。